足元に縁 その1
足元にあるマンホールとコンクリートの隙間に小さな草が生えていました。
とてもとても小さなもので、2ミリぐらいの大きさの葉っぱでした。
天井があり、雨の恩恵にも恵まれない状況です。夜露で少しは水に恵まれるかもしれませんが、決してその環境が良いとは言い難いものです。人知れずそのまま枯れていく運命だったかもしれません。
私がふと足元を見たとき、その存在に気付きました。しばらくの間、様子を見ていると、日1日と少しずつですが、葉の大きさが大きくなってきました。
しかし、水の恩恵が受けられない状況でしたので、次第に葉の向きが横に倒れていきました。そのまま、命が絶たれる運命です。
私はその草をほっておくことができず、そっと水を与えました。翌日、ふと足元を見てみると、彼は葉を天に向かって伸ばしていました。