寄り道が思わぬ絶景に その2
山を下り、麓まで近づいた時の事でした。
遠く彼方に、虫が大量に発生していると思えるぐらい、道路を塞いでいました。思わずブレーキを踏みつつ、近付いて見てみると…桜の花びらが左から右へと吹かれていました。というより、流れている状態でした。地上から数メートルの高さになるぐらいの桜吹雪でした。本当に映画のワンシーンを見ているようでした。
左には砂防公園があり、そこに植えられている桜が風に流されて、思わぬ絶景になっていました。
その公園には、ゲートボールができる場所があり、そこは白銀の世界が広がるように桜の花びらで一面を覆っていました。そこを歩くと、雪の上を歩くが如く、足跡が付きました。本当のサプライズでした。
寄り道が違う風景を見せさせ、いつもと違う気持ちにさせてくれました。今回の旅は、いつもと違う気持ちになったお蔭で、見たことがある風景でも気持ちが変われば見る角度も違ってきました。
寄り道が思わぬ絶景と出会いましたが、それを通じて感じたことがありました。
風景はとても美しく凄いこともあれば、平凡なこともあります。
凄い時は凄いと驚き、平凡な時はその平凡さに身を置き、その中に浸っていれば、どこかで出会うかもしれません。絶景でなくても、平凡な中にも心を打つことがあるかもしれません。それが旅の味わいかもしれません。