美輪明宏さん その1
2009年11月4日、愛知県芸術劇場コンサートホールに於いて、美輪明宏さんの音楽会「愛」が公演されました。
歌の素晴らしさ、舞台の構成の素晴らしさが人々を魅了します。公演は幻想的であり、美輪さんの魂が観客の心の機微に触れるなど、一度公演を見ればファンになってしまうのも納得します。
私は公演を見ることが目的でもありますが、それ以上に美輪さんが「どういう人なのか?」という関心で公演に出かけます。初めて見た公演は三重県四日市市でした。
美輪さんの歌は、なぜ観客を魅了するのか?
なぜ観客の心に届くのか?
通常の歌手であれば、歌手本人の頭の中で情景をイメージして歌うと思いますが、美輪さんは違います。
その場の空間を作り出している。頭の中に浮かぶ情景がスクリーンとなって美輪さんの後方に投影される。酢の場の雰囲気を変えてしまうことが出来るのです。だから、美輪さんの姿と声が観客の頭の中で情景と声に変化して、まるで今この場に居るかのように錯覚してしまう。身体の奥底にある本来の日本人の姿を呼び覚ますのではないだろうか。
その中でも特に、美輪さんが「花」を唄う時、江原啓之さんが言うように、観客の魂が浄化していきます。これは間違いありません。「花」を唄う美輪さんの姿は、まさに仏の姿です。美輪さんのすぐ後ろは天界との出入り口です。
エディット・ピアフさんの「愛の讃歌」を唄うときは、エディット・ピアフさん本人が舞台の袖に居るのは本当です。歌っている時には美輪さんと重なってエディット・ピアフさん本人が熱唱しています。
だから、この曲は他の歌の作品とは違います。本来の美輪さんの声量と雰囲気が違うと思います。
この曲が特別な曲であることは納得がいきます。ただ単に、「花」と「愛の讃歌」の演出が特別だからではないのです。
構成上、演出がそうしているとしか捉えないかもしれませんが、本当は別の意味合いが・・・