今上の心の乱れ その2
今回の旅は、その数ヶ月前に奈良の東大寺を訪れた時と同じ情景でした。
自動車か鉄道かの交通手段の違いがあっても、立ち寄った場所や歩いた風景が夢の中で何回も見た光景と一致していた。
今まで断片的にあったとしても、これほど多く見たことがあると振り返りながらの旅は、私自身が驚くぐらいでした。
季節もまだ寒い時期なのに、雲がひとつもないぐらいの快晴。少し歩くと、汗ばむぐらいで上に羽織っているものを脱ぐ程でした。
しかし、悲しいことに東大寺の大仏様やその他の像に手を合わす人は皆無だったこと。いくら中国人観光客や修学旅行生が多かったとしても、その日は日曜日。さい銭箱の前には誰も立たず、手も合わせず。記念写真を撮っているのか、絵画鑑賞の如く、眺めているだけ。
日本の心、神仏の心を忘れてしまったのか。それとも、無くしてしまったのか。形骸だけを残して、中身が変容してしまったのでしょうか?